その症状、見逃すと危険! 今すぐチェックすべき建物劣化のサイン

その症状、見逃すと危険! 今すぐチェックすべき建物劣化のサイン

屋上編

A) シート防水のところどころに膨らみがある

シート防水の膨らみ

防水層の内部に水分や空気が入り込んで膨れ上がっている状態です

想定される状況と原因
  • 防水層内部への水分の侵入
    シート防水の端部や継ぎ目、固定部から雨水が侵入し、内部に水分が溜まって膨らみます。
    特に下地との接着が不十分な場合、水が逃げ場を失って膨れやすくなります。
  • 施工時の空気や水分の巻き込み
    シートを貼る際に空気や水分が閉じ込められたまま施工された場合、日射などで温められて膨張して膨らむことがあります。
  • 太陽熱による膨張(蒸気圧)
    日中の太陽熱でシートが温められ、内部の水分が蒸発して蒸気圧が上昇し、シートを押し上げて膨らみます。これを「ブリスター(blister)」現象と呼びます。
放置するとどうなる?
  • 膨らみが破れて防水層が破損し、雨漏りの原因になります。
  • 内部の水分がコンクリートを劣化させる可能性もあります。
  • 膨らみが広がると、全面的な防水改修が必要になることも。
対応策
  • 専門業者による調査(赤外線調査や目視点検)
  • 膨らみ部分の切開・乾燥・再接着などの部分補修
  • 状況によっては全面的な防水層の再施工

B) 防水シートのジョイント部分の接着がはがれている

防水シートのジョイントのはがれ

防水機能が部分的に失われている状態です

想定される状況と原因
  • 経年劣化
    防水シートの接着剤や溶着部分は、紫外線・熱・雨風などの影響で徐々に劣化します。
  • 施工不良
    初期施工時に圧着不足や接着剤の塗布ムラがあると、時間が経つにつれてジョイントがはがれやすくなります。
  • 温度変化による伸縮
    防水シートは昼夜の温度差や季節変化で伸び縮みします。この動きにより、継ぎ目にストレスが集中し、はがれが生じることがあります。
放置するとどうなる?
  • 雨水がジョイントの隙間から侵入し、下地のコンクリートや断熱材を劣化させる。
  • 内部に水が溜まると、膨れ(ブリスター)や雨漏りの原因に。
  • 劣化が広がると、部分補修では対応できず、全面改修が必要になることも。
対応策
状況対応方法
軽微なはがれ再接着・部分補修(専用接着剤や溶着処理)
複数箇所に進行部分的な張り替えまたはジョイント再施工
劣化が広範囲全面防水改修(シートの全面張り替えや他の防水工法への切り替え)
補足:防水シートの種類と接着方法
  • 塩ビシート防水:熱風溶着や接着剤で施工。紫外線に強いが、接着部の劣化に注意。
  • ゴムシート防水:接着剤で施工。柔軟性があるが、接着面の管理が重要。

C) シートの継ぎ目部分や端の部分に草が生えてきた

防水シートに生えた草

防水層の劣化や破損が進行している深刻なサインです

想定される状況と原因
  • 防水層の破断・隙間からの土や有機物の侵入
    継ぎ目や端部の接着がはがれたり、ひび割れたりしていると、そこから風で運ばれた土やホコリ、有機物が入り込みます。
  • 長期間のメンテナンス不足
    定期的な清掃や点検が行われていないと、堆積物が溜まりやすくなり、植物が根を張る原因になります。
  • 植物の根による防水層の破壊
    草の根は防水シートの隙間に入り込み、さらに広げてしまうことがあります。
放置するとどうなる?
  • 防水層の破損が拡大し、雨漏りや構造体の劣化につながります。
  • 草の根がコンクリートにまで侵入すると、構造的なダメージを与えることも。
  • 美観の問題だけでなく、資産価値の低下や修繕費の増大にもつながります。
対応策
対応内容詳細
草の除去手作業または専門業者による除草。根までしっかり取り除く。
防水層の点検継ぎ目・端部・立ち上がり部分の破損や浮きの有無を確認。
部分補修または再施工状況に応じて、ジョイントの再接着シートの張り替えを実施。
定期清掃と点検の導入年1〜2回の点検・清掃で再発防止。

D) 伸縮目地部分にひび割れがある

伸縮目地のひび割れ

建物の動きに追従するための重要な部分が劣化している状態です。

伸縮目地とは?
  • コンクリートの膨張・収縮・地震などの動きに対応するための隙間。通常はシーリング材(ゴム状の防水材)で埋められており、防水性と柔軟性を兼ね備えています。
ひび割れがある場合の想定される原因
  • 経年劣化
    シーリング材は紫外線・雨風・温度変化により、硬化・収縮・ひび割れを起こします。一般的に10〜15年程度で劣化が進行します。
  • 建物の動きに追従できていない
    地震や構造の動きにより、目地の動きが大きくなりすぎて、シーリング材が引き裂かれることがあります。
  • 施工不良
    シーリング材の厚み不足プライマーの塗布不良などがあると、早期にひび割れが発生します。
放置するとどうなる?
  • 雨水がひび割れから侵入し、屋上防水層の下や構造体に浸透。結果として、雨漏り・鉄筋の腐食・コンクリートの劣化などが発生します。ひび割れが進行すると、補修範囲が広がり、費用も増加します。
対応策
状況対応方法
軽微なひび割れシーリング材の打ち替え(古い材を撤去し、新しく充填)
広範囲に劣化伸縮目地全体の改修(下地処理+新規シーリング)
防水層も劣化している場合防水工事と併せて目地補修を実施

E) 排水ドレン周辺の防水層が劣化し、ひび割れがある

排水ドレン周辺の防水層劣化

雨水の排水機能と防水性能の両方に関わる重大な劣化症状です。

想定される状況と原因
  • 排水ドレン周辺は劣化しやすい部位
    ドレン周辺は水が集中する場所であり、常に湿気や水分にさらされているため、防水層の劣化が早く進行します。また、温度変化や建物の動きによるストレスも集中しやすい部分です。
  • 防水層のひび割れ=雨水の侵入口
    防水層にひび割れがあると、そこから雨水が下地に浸透し、コンクリートの中性化や鉄筋の腐食を引き起こす可能性があります。特にドレン周辺は水が溜まりやすく、漏水リスクが高いです。
  • 排水不良との連動
    ドレンが詰まっていたり、勾配が悪くて水が流れにくい場合、防水層に常に水が接している状態になり、劣化が加速します。
放置するとどうなる?
  • 雨漏りの発生(下階の天井や壁にシミ・カビ)
  • 鉄筋コンクリートの劣化(鉄筋の錆び・膨張によるひび割れ拡大)
  • 防水層の剥離や膨れが広がり、全面改修が必要になることも
対応策
状況対応方法
軽微なひび割れ部分補修(ひび割れ部の清掃・プライマー塗布・防水材再施工)
ドレン周辺の劣化が進行ドレン周囲の防水層を切り取り・再施工(シート防水やウレタン防水など)
ドレン自体の劣化ドレンの交換や改修ドレンの設置も検討
広範囲に劣化屋上全体の防水改修(特に築年数が経っている場合)

こんな症状が出ていたら赤信号

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