施工エリア | 東京都渋谷区神泉 |
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建物 | 雑居ビル |
構造 | RC |
築年数 | 59年 |
階数 | 地下1階、地上4階建 |
施工年月 | 2023年9月~2024年6月 |
施工工事 |
・仮設工事<共通・直接> ・塗装工事 ・下地補修工事 ・屋上防水 ・改良工事(電気・照明・掲示板・集合ポスト交換)等々 |
経緯 | オーナー様が売却を検討されていた際、一案としてご提案した大規模修繕工事でした。 |
今回の案件は弊社実績の中でも特に大規模、かつ記憶に残る案件となりました。というのも比較的早い段階からのプロジェクト参加や、今ではほとんど見かけない井戸が地下にあったり・・・。その他、納品トラブルもあり・・・と無事工事は完了したものの、道のりは少々険しいものでもありました。
それでは各ポイントを一つ一つご紹介いたします!
弊社では築90年超えの銀座築古物件もリノベーションした実績がありますが、今回のビルも結構な築古物件でした。最初オーナー様は弊社グループ会社のコンサルティング会社にこちらの物件を売却したいと相談をしていたそうですが、なかなかうまくいかなかったそうです。そこで他の可能性を模索していく段階で弊社にお声がかかりました。
このように”大規模修繕をする”と道が決まってからではなく、あらゆる可能性の検討段階から案の一つとしてプロジェクトに参画できることは弊社の大きな強みと言えます!
特に築古のビル1棟ものとなりますと例えばですが、下記のような選択肢があることと思います。
どれを選ぶにもメリット・デメリットがあり、オーナー様一人では難しいお悩みかと思います。そんな時はぜひそのお悩み段階からコンサルティング要素も含めて弊社でお手伝いをできればと思います。
今回の物件の地下には井戸が存在していました。しかし次のテナント誘致上この井戸を埋め立てることになりました。現在井戸を目にする機会も滅多にないため、ご存じない方も多いかもしれませんが、井戸を埋め立てる際には本来「井戸埋立清祓(いどうめたてきよはらい)」という儀式が必要になるのだそうです。
井戸は昔、暮らしに欠かせない生活用水を管理していたこともあり、神聖な場所として扱われていました。そのため井戸に宿っている神様へこれまでの水の恵みを感謝し、埋め立てを理由にその後祟ることなく、元の御座に戻っていただくための儀式が「井戸埋立清祓(いどうめたてきよはらい)」だそうです。
弊社のベテラン社員でもこの儀式をしたのは初めてだったそうで、本当に実施した方がよいものか迷ったそうですが、何かあってからでは遅いので、何もなかった時に「お祓いをしておいて良かった」と言えるよう実施したとのことでした。そのおかげもあってか無事、無事故で工事を終えることができました。
今回プロジェクト段階からオーナー様には一か所だけ強いこだわりがありました。それは「エントランス部分の外壁を高級感あるものに変えバリューUPを図りたい」というものでした。そこで新しく修繕する際の塗装材料選びには相当の思いを持って臨まれ、弊社担当者と何度も打ち合わせを繰り返し、やっと外壁の材料が決まりました。
しかしここでハプニングが発生してしまいました。なんと納品された品を見ると見本とはかけ離れた出来上がりになっていました。実はその塗装剤は扱いが難しく、必ずしも見本通りになるものではなかったそうです。
メーカーから塗装会社にその話は合ったものの、弊社やオーナー様の耳にも当然そんな話は入っておらず、まさに寝耳に水の事態となってしました。
しかし幸運にも工期にまだ少し余裕もあったため、弊社担当者が長年の経験から得たアイディアでその塗装に模様をつけてみました。
もちろんオーナー様からの許可は取得済みですが、これでご満足いただけなければ改めて材料から選びなおす時間がかかり、工期に遅れも生じてしまいかねません。ですがそこはベテランの知恵と経験を駆使し、何とかオーナー様にもご納得いただける仕上がりにまで持っていくことができました。
幸いにもこの仕上がりをオーナー様はいたく気に入って下さり、何とか工期も間に合わすことができました。
もちろん納品された品が発注通りのものであるに越したことはありません。しかしネットが進化した今、塗装剤だけに関わらず想像していたものと違う・・・となることはよくあることかと思います。
そんな時、経験でその差を埋められ、かつバリューアップもできる担当者がいると心強いのではないでしょうか!?
施工前には1階飲食店のメニューでぎっしりと埋め尽くされていた壁ですが、施工後は高級感も出しつつシックに仕上げることができました。
工事完了後、なんと即決で建物1棟まるごと借り手が決まりました。現在ではB1-1Fはワインバーが入っており、2-3Fには別店舗のBARがすでにOPENされています。実はここには世界的某ロックバンドのメンバーもお忍びで通っており、大変繁盛されているご様子で何よりです。
ということで今回はプロジェクト段階から参画することでオーナー様・テナント様・弊社の3社win-winな関係を気づくことができた案件のご紹介でした。