施工エリア | 東京都目黒区 |
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建物 | 集合住宅 |
構造 | RC |
築年数 | 1993年1月 |
階数 | 地上5階 |
テナント戸数 | 56戸 |
施工年月 | 2023年8月 |
施工工事 |
・仮設工事<共通・直接> ・タイル補修(JFP工法) ・塗装面躯体補修 ・外壁、付帯物塗装 ・共用部防滑シート張り ・バルコニー防水 ・屋上防水(ポリオレフィンシート) |
施工前の概要 | 建物自体は比較的綺麗なままでしたが、前回の大規模修繕から16年経過していることもあり、見えない部分の経年劣化も考慮したうえで行った計画的な大規模修繕工事でした。 |
今回は目黒区の集合住宅の施工事例をご紹介します。
物件は、駅から徒歩6分の好立地にあり1階に店舗と駐車場が併設されているマンションとなります。今回の事例は、大規模修繕工事であるため施工範囲も広く、様々な使用素材や工法で施工しております。そこでいつもと趣向を変え、屋上防水工事で使用した素材≪ポリフィン≫とタイル補修工事≪JFP工法≫に焦点をあて、ご紹介したいと思います。
ポリフィンは日本ではあまり知名度は高くありませんが、紫外線や熱の影響を受けないポリオレフィン樹脂から作られたもので、25年間の防水保証も付けられる超耐久性屋上防水シートです。弊社銀座での施工事例でも取り上げている通り、築90年越えリノベーション工事にも使われた、とても優秀な素材です。
しかし素材自体は高級なもので、さらにマイスターという肩書を取得している職人しか施工できないものとなります。そのため費用面で不安を持たれる方も多いのですが、このマンションのように施工(屋上)面積が広い場合には工程自体はシンプルなため、人件費を削減でき、施工範囲の割には価格を抑えることも可能です。
JFP工法は、確実性と強度に重視した工法となります。タイル・モルタルの浮きに直接ピンを打つことで押さえ止めできるため、従来の工法に比べてより確実性と強度のUPを実現させることができています。
さらに従来の工法での一般的な騒音レベルは、「屋外:95*db/屋内:75db」。JFP工法ですと「屋外:80db/屋内:55db」まで下がります。この55dbというのは「*静かな住宅地の昼」くらいの感じ方だそうです。リモートワークが普及した今の時代、入居者の方により快適な生活を維持していただけるよう配慮した工法を提案したためタイル施工時のクレームは0で工事を終えられることができました。
最後に、今回の施工は計画的な大規模修繕工事としての実施でした。
当たり前では?とお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、というのも「給排水管が壊れた」や「外壁のタイルが剝がれてきた」等、”目に見える不便さ”が出てから仕方なく大規模修繕工事に踏み切る事例も多くあります。
しかし、”目に見える不便さ”が発生する頃には、いざ本格的に調査をしてみると”目に見えない重大な問題”が発覚する可能性が高くあります。そうなってからでは手遅れだったり、計画的な修繕よりも急を要すため高額になってしまうケースも多いため、まずは建物の現状を知るところから始めてみてはいかがでしょうか。
弊社では建物診断として独自の評価基準によるA~E判定を出しており、一般の方々へも分かり易い状況説明を心がけていますので、ぜひ気になる方はお問合せ下さい。
*1.db=デシベル
*2.出典:総務省「騒音に関わる苦情とその解決方法」